今回は当ブログの四半期報告です。
2019年4月4日付の、ドル建て投資資本は387578ドル(4318万30円)でした(※注1)。
2016年2月のブログ開始から見ますと、累積投資元本が316436ドルですので、単純に現金で保有していた場合と比較し、株式投資による純利益は + 71142ドル( + 792万5930円)になります。
また2019年年初来からの株式による純利益は + 25526ドル( + 284万3851円)、ポートフォリオ全体の年初来リターン + 7.1%です。
仮に私と同じタイミング・ポートフォリオ比率で、SPY(S&P 500指数連動ETF)を購入したとすると、ポートフォリオ全体の年次リターンは + 13.3%です。
従って本四半期ではS&P 500指数を、年初来 - 6.2%アンダーパフォームしています。
以下は当ブログの長期成績となります。
※ポートフォリオからキャッシュポジションを除し、株式部分のみとして計算し直した、S&P 500指数とのドル建て・税引き・配当込みでの幾何平均リターン比較になります。
なお本四半期では、元本の増加を含めて投資資本は前四半期比で + 34502ドル( + 384万3868円)増加しています。
※注1:
以降の記載は全て本日付の為替レートでドル建て換算したものです。
株式ポートフォリオと取引内容
上図は私のポートフォリオ構成です。そして本四半期の主要取引は以下となります(取引単価、数量、及び総額)。
CAIインターナショナル
購入:単価23.9ドル(260株:$ 6214)
購入:単価25.9ドル(522株:$ 13526)
購入:単価22.1ドル(397株:$ 8795)
フィアット・クライスラー
購入:単価14.8ドル(1535株:$ 22692)
購入:単価14.7ドル(1224株:$ 18050)
ディスカバリー
売却:単価24.3ドル(2239株:$ 54293)
購入:単価25.9ドル(175株:$ 4559)
売却:単価28.8ドル(313株:$ 8990)
売却:単価27.0ドル(1300株:$ 35100)
(※前四半期までの平均取得単価:22.0ドル)
FAS(デイリー米国金融株ブル3倍)
購入:単価45.6ドル(320株:$ 14620)
売却:単価57.4ドル(320株:$ 18330)
VFH(米国金融セクターETF)
購入:単価60.2ドル(950株:$ 57169)
売却:単価64.8ドル(950株:$ 61541)
新潟放送
売却:単価1002円(300株:¥300600)
東部ネットワーク
購入:単価1010(500株:¥505000)
タイガースポリマー
購入:単価585(2800株:¥1638000)
購入:単価575(1800株:¥1035000)
購入:単価604(2800株:¥1691200)
売却:単価633(1500株:¥949500)
丸東産業
購入:単価2235(600株:¥1341000)
パーカーコーポレーション
購入:単価536(3200株:¥1715200)
売却:単価542(3200株:¥1734400)
本四半期では主力としているCAIインターナショナル、フィアット・クライスラーの価格低迷が投資リターンに影を投げかけているものの、これらは引き続き好ましい価格帯にあることから買増しを継続しています。市況を見つつ、次四半期以降もこれを継続する方針です。
またこれらの銘柄(重工業・景気循環銘柄)は、市場平均の立ち上がりに比べ、過去20年ほどでは立ち上がりが6-12か月ほど遅れる傾向にあります。よって過去と同じことが今後起こるのであれば、本ブログの成績は市場平均へのアンダーが続くものと予想しています。
従って本四半期では予めETFなどを用いたサイド銘柄の売買で、市場平均の劣後への軽減を図っています。なおサイド銘柄だけを仮に取り出した場合、米市場平均を2-3%ほど上回る成績をポートフォリオのこの部分では挙げています。
しかしこれらのETFも順次売却し、日本小型株へのスイッチを行っていますので(日本小型株は先と同様、米市場平均に6-12か月は劣後する傾向にあります)、次四半期の成績はより市場をアンダーする可能性が高いだろうと考えています。
個人資産
以下は私の個人資産になります。
生活資金などを別にしていますので、上図(※注2)ではその点加味すると個人資産は4556万6149円となっています。またその他資産が250万円ほど有りますので、現在の私の資産は4806万円ほどということになります。
※注2:家計に用いているマネーフォワードでは、マネックス証券の株価が反映されるのに数日の誤差があるため、現在の資産額とは数日の誤差が生じています。
四半期を振り返って
年末の下落より徐々に米国市場は値を切り上げ、再び上値を追う展開となっています。
昨年末は熱狂から悲観に大きく振れ、そして年初からは熱狂が徐々に戻って来つつある、今はそんな市況かと感じます。昨今の大型のIPOの連続や、ビットコインの再度の価格上昇はそういった市場環境を反映しているのでしょう。
皆様の周りでも、そういった投資に資金を投じる方、ないし心惹かれている方が少しずつ出て来られているのではないでしょうか?
バリュー投資にかかる疑問
幸運な方が良い。だけど寧ろ堅実で在りたいな。そうすれば、幸運が訪れたときに準備が出来ているものさ。
アーネスト・ヘミングウェイ 老人と海より
私のポートフォリオは本四半期で市場平均をアンダーしており、また全般的に言いましても相変わらずバリュー投資にとり、厳しい市況が続いているものと感じます。
著明バリュー投資家も2016年頃からの累積では軒並み市場平均のアンダーパフォームに沈み、バリュー投資では市場平均並みのリターンを出すことでさえ、既に相当以上の難しさの厳しい相場であるかと思います。
・・・
さて当ブログを訪れておられる方は投資の初心者の方も多いと思いますので、ここで一つ質問をしてみようと思います。
今のような状況であれば、バリュー投資は景気サイクルの後半には一度止めて、市場平均ないしそれに類する商品を買えば良いのではないでしょうか? そう皆さんも、思ったことはないですか?
動かぬことの重要性
※図はS&P 500指数と、その中でPBR毎に全体を10区分し、最も低PBRであった群をバリューアプローチ群と定義した上で、比較したもの。
※出典:https://www.euclidean.com/the-history-of-value-investing
こちらの図を見ていくと、バリュー投資はよく言われるように、特に景気サイクルの後半、市場恐怖が払拭された時に市場平均を大きくアンダーする性質があります。
また案外、景気サイクルの後半以外の局面、つまり長期上昇相場の途中でも一旦下落し、その後強い上昇を見せている時もあることが分かりますね。
更にアンダーパフォームの期間は概ね2-3年に渡り、そしてその後はドローダウンの程度が再び減じ、再度バリュー投資の優位性が戻ることも分かります。
個人的な経験としても、個別株の本質的な価値が価格に反映されるのは大体2-3年ということが殆どですので、市場全体のバリュー株の平均がこれに類するのは、一つ整合性が取れているように感じます。
バスに乗り遅れるな!
このバリュー投資の利益のサイクルのピーク、例えば直近で言うと2014-15年には高いリターンを出しているバリュー投資の成績を見て(例えば高配当株への長期の配当再投資など)、バリュー投資を志した方もきっと多いと思うのです。
ですが残念ながら市場の一般論として、多くの方が上がった価格を見て「バスに乗り遅れるな!」とばかりに市場に参入する時というのは、たとえバリュー株であっても十分以上に値が上がったときなのですね。
そして云わば上がった株価の自重に耐えかね、そのリターンは必然的に低減するものと思うのです。
その後、値が下がった後の2-3年という待ち時間は多くの方にとって、恐らくは長すぎるのでしょう。自身が購入した株が日々値を下げて、周囲が株の高騰に沸く中、平穏でいられるほど人は強くないのだと思います。
この図はバリューアプローチが最大のドローダウンを示した1973・1980・1991・1999・2003・2009から2年間の累積リターンをプロットしたものです。
これを見るとそれまでの株価のドローダウン、冬の間を耐えた投資家のみが、飛び抜けた超過リターンを得たことが分かります。
そしてこのリターンはそれまでの高値の反動とも言える、バリュー株の下方へのオーバーシュートに依るものであり、云わば下げ続ける株価に「降参」した投資家の影響による部分が大きいのですね。
またバリュー投資の超過リターンの多くはこういった時に形成されるものかと思うのです。
中道にて廃す
力足らざる者は中道にて廃す。今、汝は画(かぎ)れり。
力が足りない人間は途中まで進んで力尽きて止めてしまうものだ。今、お前は自分で自分を見限ってしまっているのだよ。
孔子 論語より
市場というものは御し難いものです。何時値を上げるか、そして何時値を下げるかは分かりません。
ただ一つ言えるのは、皆と異なることを行わねば、決して皆を上回ることは出来ないという事実です。
バリュー投資の本質は悪いニュースに対する過剰反応そのものであり、適切な判断の元に於いては、心理が過剰に過ぎるほど、皆が期待しないほど、その間に企業がしっかり成長するほど、その実、云わば弓は引き絞られているものと思うのです。
その点に於いてリターンが低迷している時ほど、市場平均に買い替えることは、悪手である可能性が経時的に高まることになろうかと思います。
最後に
CAIインターナショナルや、フィアット・クライスラーを保有して1年ほど(ウォッチ開始からは2年ほど)が早くも過ぎました。
何時もながら待たされる時間は長くも思え、また楽しくも思えます。
そして個人的には、投資根拠を常に確認するのは勿論のことなのですが、レトロな考えながらに「石の上にも三年」という、こういったメンタル面の頑丈さもとても重要なことかと感じています。
何ごとも僅かな事柄の積み重ねが本質を変えるのにかかる時間が2-3年と、恐らく古人が言い残したかったことは投資にも通じるのではないかと思うのです。
このような言葉や精神はあまり好まれぬ現代の風潮ですが、あえて申し上げるならば、石上にて風雪を耐え抜くド根性、この旧い考え方もまた、バリュー投資においてはとても重要な考え方だろうと思っています。
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