消えたシケモク





今回は皆様へお知らせです。


当ブログでは、以前から米国市場は高値を付け続けており、バリュー投資にとって大変厳しい状態であることをお伝えしてきました。


それにより、バリュー投資においては徐々に利回りが圧迫されること(恐らく市場平均と同等位かそれを下回るだろうこと)、その理由としてバリュー銘柄の質的・量的な不足が存在することもお伝えしてきました。


今日、お伝えするのはいよいよ米国市場において、私の銘柄選択が困難になってしまったことです。






消えたシケモク銘柄


バリュー投資の利益源はひとえに「安く買い、高く売ること」に集約されます。


ここで安く買う、の意味は本質的価値よりも安値、ないし健全な成長を遂げる銘柄が適正価格の時に買い付けを行うということです。


しかしここで問題となるのは、米国市場の下図のような現状です。



※S&P 500指数、長期チャート。

※S&P 500指数、市場平均PERの推移。

※S&P500指数、CAPE推移。


10年以上の上昇を続けたS&P 500は、市場平均PER 25倍、CAPE 32倍まで上昇しており、金融セクターなど一部では適正価格の銘柄はまだ散見されるものの、十分に銘柄選択を行うのは困難なほどに価格の上昇を来してきました。


もはやシケモクは道端には落ちておらず、シケモクですら既に皆が喜んで拾ってしまった後、という状況なのです。


そして残されたバリュー銘柄が量的に劣るのみならず、十分なブランド力や財務基盤を持つ銘柄ばかりでない質の不足もある以上、保有に当たりある程度の分散が必要になる訳ですが、ここも困難なのです。


日本株へ復帰


と、嘆いてばかりいて始まりませんので、今後は比較的割安の市場、日本株でも株式の購入を数年ぶりに行っていく予定です。


僕自身の話を少し致しますと、僕は元々日本株のシケモクを取り扱っていました。しかし円建て資産そのものが今後クラッシュした場合を考え、当時まだ割安だった米国株に資産を移し、気付けば早数年となります。


そのため今回、この円建て資産そのもののリスクを踏まえつつ、ポートフォリオの20-30%前後を目途としての日本株運用を検討中です。


元来、私の初期資金は日本株で多くを作りましたので(日本株を併せると、現在5年と6か月 S&P 500をアウトパフォームしています、為替計算が大変な都合上ブログに未掲載)、ここは久しぶりの復帰でちょっと楽しみな所です。


バリュー投資の注意点


また、僕のポートフォリオを参考に、同じ銘柄を買われている方が何人か居られますが、今のような高値相場での注意点をお伝えします。


当ブログはバリュー投資を行うものです。今のような高値を追う局面では市場平均並み、ないしアンダーする可能性が理論的に十分以上あり得ます。


ここでは私の企業を購入する根拠は、企業の内在価値、及びその経時的増加であり、日々変動する価格を参考にする訳では無いからです。


そのため、バリュー株の価値に価格が収斂するまで数年を要するだろう今の局面では、バリュー株の保有はポートフォリオの中でも一部に留めるなど、ご自身が許容できる範囲に留めておくことをお勧め致します。


そして、市場で流行りの銘柄が新高値を更新し続け、周りの投資家達が皆そういった銘柄を買い始める中、例えバリュー株が2-3割下がろうとも、買った企業と自分自身を、バフェットの言う "内なるスコアカード" で評価し続けること、ここが重要に思えます。


そしてこれから必要なのは、どれ位市場平均を上回ったということや、皆に認められることでは無く、自分自身を認めるようになることかも知れません。


最後に


という訳で、米国株式の利益を幾つか確定させ、日本株への投資に順次切り替えていく方針です。


早速200-300銘柄ほど日本株をスクリーニングし、投資候補を絞りましたので、徐々に購入銘柄をブログで取り上げていきますね(因みに取引をTwitterで概ねリアルタイム配信していますので、良ければそちらも参照下さい)。


日本株では、高齢化、IT産業など産業構造の転換への遅れ、低い利益率などから、強力な内在価値の伸びを持つバフェット銘柄は少なく、概ねネットネット銘柄に準じたグレアム投資が占めることになると思います。


従って恐らくは聞いたこともないようなマニアック銘柄ばかりとなり、更にコアなものになるだろう当ブログ、どうぞ今後も宜しくお願い致します。



スポンサーリンク



スポンサーリンク


0 件のコメント :