※FOSLチャート、MSNマネーより引用。
同銘柄は、様々な理由により2014年の高値からおよそ20分の1の株価まで売り込まれた、米国市場でも有数の下落株になります。
同銘柄は、様々な理由により2014年の高値からおよそ20分の1の株価まで売り込まれた、米国市場でも有数の下落株になります。
こちらは収支が赤字で一見しただけでは投資するに当たり二の足を踏む銘柄なのですが、クセのあるバランスシートを読んでいくと非常に面白い銘柄ですので、今回、是非とも皆様に紹介していきたいと思います。
私も実際に資産の7%ほど(250万円位)の投資を今回行いましたので、私の投資根拠を併せてお伝えしていきますね。
なお、こういったシケモク銘柄はブログ的にはあまり一般の読者の方には需要が無いようにも思うのですが、シケモク銘柄というのは「人前に出せないような」銘柄が多いので仕方がないかなとも思います。
グレアム投資の名手として知られたウォルター・シュロスは、顧客に銘柄名を知らせるとファンドの解約が相次ぐため、投資する銘柄を伏せていたそうなので、古今東西、シケモク投資というのはそんなものだと思います。
しかしながら単に悪条件が重なっているだけでは、その銘柄の本質的価値や投資価値を損なうことにはなりませんし、こういった銘柄では時価総額が低いことが大手ファンド・アナリストの参入を拒み、安値を生む下地となっていることもまた事実です。
興味を持たれた方は是非ご覧いただければ幸いです。
私も実際に資産の7%ほど(250万円位)の投資を今回行いましたので、私の投資根拠を併せてお伝えしていきますね。
なお、こういったシケモク銘柄はブログ的にはあまり一般の読者の方には需要が無いようにも思うのですが、シケモク銘柄というのは「人前に出せないような」銘柄が多いので仕方がないかなとも思います。
グレアム投資の名手として知られたウォルター・シュロスは、顧客に銘柄名を知らせるとファンドの解約が相次ぐため、投資する銘柄を伏せていたそうなので、古今東西、シケモク投資というのはそんなものだと思います。
しかしながら単に悪条件が重なっているだけでは、その銘柄の本質的価値や投資価値を損なうことにはなりませんし、こういった銘柄では時価総額が低いことが大手ファンド・アナリストの参入を拒み、安値を生む下地となっていることもまた事実です。
興味を持たれた方は是非ご覧いただければ幸いです。
フォッシル
会社概要
フォッシルは米国テキサス州に本拠を置く、1984年に創業されたファッションブランドになります。
「化石」という意味の社名は創業者が父親に付けていたあだ名で、意訳すると「頑固者」「石頭」というところでしょうね。
※Fossl 2017年 Q3 IRより引用。
保有するブランドにはFossil, Skagenなどがあり、売上の80%を占める事業主体は腕時計であり、多くは2-3万円程度の価格帯のものです。他にもファッションブランドとしてバッグやジュエリーを扱っています。
売上の45%を米国、36%を欧州、19%をアジアが占めており、また世界各地に600程度の自社店舗を展開するグローバル企業になります。
また、OEMとしてバーバリー、エンポリオ・アルマーニ、マイケル・コース、ディーゼル、アディダスなどの生産も行っています。
余談ですがこういった小型株は事業内容が単純であるため、決算報告書が読みやすくて良いですね。例えばGEなどの複数の異なる部門が入り組み、かつのれん代・減価償却などの項目で迷路のごとく入り組んだ決算報告書とは大違いです。
そのような銘柄では重要事項の見逃しによる事故率が上がりますので、私の場合は減収減益のグレアム銘柄(特に赤字ギリギリの銘柄)に投資する場合は、対象を単純な財務内容の銘柄に限定することにしています。
財務諸表
それでは財務諸表を見ていきましょう。
※縦軸の単位は100万ドル。
2014年以降の売上高・純利益の減少が目立ちますね。本年度は赤字決算となっています。
なおここではリーマンショック直後もほとんど業績は影響を受けていません。
恐慌にも耐えた優良企業のフォッシルに、一体何が起こったのでしょうか?
※縦軸の単位はドル。
EPSも同じく近年は激減しています。なお本銘柄は無配です。
※縦軸の単位は%。
フォッシルは、2014年ころまでROE 35%, ROA 20%弱となかなか見かけない良好な水準の優良企業だったのですが、今は見る影もないですね。
※縦軸の単位はドル。
BPSは2017年になって一気に減じています。
※縦軸の単位は100万ドル。
キャッシュフローからは設備投資はあまり必要としない同社の産業構造が見えます。しかし全体的にキャッシュフローも減少傾向ですね。
ROA 20%台という素晴らしい企業から、わずか3年で一気に赤字企業まで転落したフォッシルですが、このカラクリの一つは2017年度ののれん代減損にあります。
同銘柄は2017年 Q2において、4億710万ドルという巨額ののれん減損を行っています。年間のフリーキャッシュフローが2億ドル程度の同社にとってこの額が及ぼす効果は絶大です。
前述のように、通年の純利益・EPSは当然赤字となり、BPSは前年度の20ドル → 13ドルまで一気に吹き飛びました。
BPSは2017年になって一気に減じています。
※縦軸の単位は100万ドル。
キャッシュフローからは設備投資はあまり必要としない同社の産業構造が見えます。しかし全体的にキャッシュフローも減少傾向ですね。
本銘柄の問題
のれん代減損
ROA 20%台という素晴らしい企業から、わずか3年で一気に赤字企業まで転落したフォッシルですが、このカラクリの一つは2017年度ののれん代減損にあります。
同銘柄は2017年 Q2において、4億710万ドルという巨額ののれん減損を行っています。年間のフリーキャッシュフローが2億ドル程度の同社にとってこの額が及ぼす効果は絶大です。
前述のように、通年の純利益・EPSは当然赤字となり、BPSは前年度の20ドル → 13ドルまで一気に吹き飛びました。
本銘柄の場合は昨今の業績不振に加えて、本年度は会計上の処理が加わったため強い赤字になっているのです。
時計業界に吹く逆風
さらにグローバルな時計業界全体に吹く逆風として、(1)米国小売業のミニバブル崩壊とeコマースの台頭による利益減、(2)欧州で頻発するテロによる旅行客の減少とブランド品買い控え、(3)中国の贅沢規制政策によるブランド品の買い控えがあります。
これにより米欧中の3極でともに深刻な売上低下を来しているのです。
この売上減はスイス時計業界やティファニーなど他のブランドでも同様であり、業界全体のトレンドと言えます。
更に本銘柄のような比較的安価な腕時計ブランドではウェアラブル端末(アップルウォッチなど)との競合があり、これらの要因が複合することで大きく利益を削り取っている構造があるのです。
私の視点
さて、バリューの視点から銘柄を見た場合に、投資価値は、支払う価格が本質的価値よりも安いかどうかです。そして本質的価値は企業が保有する資産と、今後その企業が生むキャッシュフローにより規定されます。
現在の本銘柄のバリエーションはPBR 0.51倍、PER (測定不能)と簿価から見た場合、昨今の米国株では稀なレベルまで売られた低位株となっています。ブランド銘柄においてこれ程まで株価が売り込まれるのは、概ね倒産が意識された場合だけですので、市場は本銘柄に倒産間近という判断を下しているようですね。
しかし市場の予想に反して赤字が消失し黒字化すれば、簿価及びキャッシュフローの見通しを反映し、株価は反転・急騰する可能性が高いと思われます。
それでは次回はフォッシルの業績が反転する可能性とその根拠、更に本銘柄の本質的価値に関して考察していきたいと思います。
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