ヘインズ・ブランズ(HBI)の投資判断(5) パニック売りの市場




今回は2017年 Q3決算の追記です。


決算後の市場の反応がとても面白いので、今回は次の決算を待たずに連続でお届けさせて頂きます。


※MSNマネーより引用。


11月3日の市場でヘインズ・ブランズの株価は前日の - 8.8%安から、更に - 3.5%安の安値をつけて引けています。


これはウェルズ・ファーゴ、モルガン・スタンレー、バークレイズ、Instinetなどのアナリストが目標株価を引き下げたためです。なお、格付けには変更がありません。


ラッシュで下落を続ける株価を相手に、アナリストも、あまり実際とかけ離れた目標株価を掲げ続けるのは、疑問を感じたのでしょうね。


現在のバリュエーションではPER 11.93となっています。


同社が発表した4th Quarterに見込む業績では、2017年全体のEPSは1.7ドルということですので、予定通りに事が進むのであれば、3か月後には実績PERは11.4倍まで下落する見込みです




アナリストの判断


さて、アナリストの判断というものは基本的に私はあまり気にかけていません。


アナリストの評価は、ファンダメンタルズを基にした分析だけでなく、テクニカル分析やその他にも所属する組織の社会的な事情など、いろいろな要因によってその判断は修飾され得るためです。


今回のケースのように、実際に株価が動いたのを確認後に、「目標」株価を提示するという点も、私はアナリストの示す数値があまり参考にならないと考える理由です。


ちなみに、本銘柄のアナリストの推奨は、15人の平均で(ウォッチしているアナリストの人数はかなり多い方ですね)、5点満点の2.3と、同業のVFC corp(2.5)、Ralph Lauren (3.0)よりも高い格付けを維持しており、こちらに変更はありません。


私の判断


このイベントは私には大変嬉しい誤算でした。というのも、こういった株価にネガティブに働き、かつファンダメンタルズに関係のないイベントは、更なる株式の売りを浴びるサインとなるからです。


11月2日の -8.8%の下落時に私は100万円程の買い増しを行っていましたが、今後更に -10%や -20%の安値で買い増すチャンスが出てきましたので、一晩明けた今日は朝から嬉しい一日を迎えています。


ポートフォリオ内で私は、現在位の金利下では常に20%程度の流動性(現金と米国債)を確保していますが、これは相場全体の強い下落や、こういった個別株の下落時に買い出動するためのものです。


この流動性は、普段は殆ど金利を生まない資産ですが、こういった時が年に1度ほど出現しますので、バリュー投資にはどうしても必要な「無駄」です。


また、この流動性は下げ相場で心理的な安定剤としても作用しますので、そういった面でも流動性はとても重要かと考えています。


今後の方針


今後の方針は、先日お伝えしましたように、ファンダメンタルズに問題がない以上、10%の株価下落毎に追加の買い増しを行う予定です。


また、株価が魅力的な水準まで下落しつつあるため、ヘインズ・ブランズのポートフォリオ内比率を30%強まで引き上げる予定です。


なお、本銘柄のホルダーの方で、当ブログを資産運用の参考とされている方に警告致します


ヘインズ・ブランズの株価は、現在の小売全体の相場環境が改善するまでは1-2年程度、場合によっては更に長期低迷を来す可能性が十分あると考えます。


そのため、20-30%程度の価格下落は前もって覚悟して臨む必要がありますし、実際に景気循環銘柄である本銘柄は、リーマン・ショックの際に - 83%安と強い売りを浴びています。


強い株価の変動を嫌う方は、本銘柄の保有比率を下げることも検討された方が良いかと思います。


また本銘柄の株価下落により当ブログの業績は今後しばらくの間、S&P 500指数と同程度ないしアンダーパフォームすることが予想されます。これは、保有する銘柄数が少ない以上、ポートフォリオ全体のボラティリティが高まるのは必然的であり、私の投資手法上、止むを得ないものと考えております。


最後に


最後にチャーリー・マンガーの下落相場にかかる発言を引用します。


曰く、「20-30%程度の株価下落で売却を考えるならば、あなたはその株式を最初から保有すべきではなかった」とのことです。


私は過去にPER 5倍まで売り込まれた銘柄を買い増ししつつ保有したことがありますが、バリュー投資では悪いニュースが出るたびに買増しを行う性質上、20-30%の下落と言わず、時にそういった最悪の状況も出現します。


そのような最悪の状況を見込んで投資を行うこと、それがバリュー投資家にとって重要なことかと思いますし、自身、先の発言を肝に銘じつつ投資を行うようにしています。

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